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小児矯正の医療費控除

2023年8月20日

こんにちは。サカモト歯科です!この記事では小児矯正の医療費控除について詳しく解説していきます。

小児矯正は医療費控除を使える?

大人になってからでも歯列矯正治療を行うことは可能ですが、小児矯正の場合、ほとんどのケースが医療費控除の対象となります。医療費控除が適用されれば支払った税金の一部が還付されますので、結果的に金銭的な負担は軽減されます。

一方で審美目的でおこなわれる歯列矯正の場合は医療費控除は対象外になります。さっそく小児矯正における医療費控除の具体的な対象や、お金はどの程度還付されるのかなどの計算方法を解説していきます。

そもそも医療費控除とは?

医療費控除は患者様または患者様と生計を共にする家族が1年間に支払った医療費が、総額10万円を越えてしまった場合に適用されます。医療費控除を受けるためには納税先の税務署で確定申告を行う必要があります。適用が認められると、1年間のうちに支払った税金の一部が還付または減税されます。

医療費控除はひとつの医療機関での10万円以上の支払いというわけではなく、ほかの医療機関で支払った医療費も合算することができます。歯科医院のほかの医療機関で支払った料金も合算できるというわけです。さらに生計を共にする家族がいる方であれば、家族全員の医療費を合算した合計金額で医療費控除をすることが可能です。

医療費控除を受けるためには領収書が必要不可欠となります。歯科医院(またはほかの医療機関)から渡される領収書は些細な金額であっても捨てずに大切に保管しておきましょう。

お金はどのくらい戻ってくるの?

医療費控除額の最高限度は200万円ですが、どの程度お金が還付されるかは、実際に支払った医療費や所得がどのくらいあるかによって変わってきますので一概には言えません。とはいえ所得税が軽減されるため医療費の負担が軽くなることは確実です。

還付金の算出方法

①1年間に支払った医療費を計算する(1月1日〜12月31日)
②医療費控除で戻ってくる額を計算する
・医療費控除額=1年間に支払った医療費合計-受給額-10万円
または
・医療費控除額=1年間に支払った医療費合計-受給額-総所得金額の5%

受給額とは、保険金や下記の補てん分の金額を指します。
配偶者出産育児一時金、出産育児一時金、家族療養費、高額療養費、傷害費用保険金、医療保険金、入院給付金 ほか

総所得の金額が200万円未満は総所得金額の5%となり、10万円かその額、どちらか少ない方の額が適用されます。

③所得税率の確認をする
課税される所得額は下記で計算できます。
課税所得額=給与所得控除後の金額-所得控除の合計
※所得税の税率の詳細は国税庁のサイトで確認できます
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

④還付金の算出をする
還付金額=医療費控除額×所得に応じた税率
例)課税所得額が300万円で医療費を65万円支払った場合
医療費控除額=65万円-10万円=55万円
医療費控除額55万円×所得税率10%
=還付金は55,000円
このように算出されます。しかし計算方法は複雑なため、
詳細は、国税庁のウェブサイトや納付先の税務署に問い合わせましょう。

医療費控除の対象となるものとならないもの

医療費控除の対象となる支払いは治療費だけに限りません。対象となるものとならないものを整理しておきましょう。

【医療費控除の対象になるもの】

  • ・歯科医院に支払った診療費
  • ・矯正のための検査費用
  • ・矯正の治療費・矯正装置料、処置・調整料
  • ・医薬品の購入費用
  • ・治療中および治療後のお薬(鎮痛剤や抗生剤など)
  • ・通院するために支払った公共交通機関の交通費(電車代、バス代など)

【医療費控除の対象外】

  • ・通院時にかかった自家用車のガソリン代
  • ・タクシー代
  • ・駐車料金
    ※事情により公共交通機関が使えない場合は適用
  • ・口腔衛生用品(予防のためのグッズなど)
  • ・ローンや分割支払いの手数料および金利

医療費控除の手続き方法

医療費控除は、毎年2月16日から3月15日までの1ヵ月間に行われる所得税の確定申告を行い、納付先の税務署に提出することで受けられます。医療費控除は年末調整の有無に関わらず、確定申告が必要になります。手続き方法は、主に3つの方法があります。

①税務署で申請
納付先(管轄)の税務署に必要書類を持参して医療費控除の明細書に必要事項を記入
②税務署に書類を郵送
確定申告書に医療費控除の領収書(明細書)を添付し、必要書類と一緒に税務署に提出
③電子申告(e-tax)で申告
国税庁ウェブサイト「確定申告書等作成コーナー」から確定申告書を作成して提出

実際に還付金が戻ってくるのには時間がかかります。申請してから1ヶ月〜2ヶ月後、自分が指定した口座に振り込まれます。

まとめ

お子さまの小児矯正が医療費控除の対象外となるかどうかは、管轄の税務署によって決定されるので、詳しくは税務署に相談しましょう!

不正咬合 歯並び

不正咬合について②

2023年3月20日

以前不正咬合についてのお話を出した時に原因や検査・診断等、治療の仕方を詳しくお話していなかったので今回はそちらについてお話していきます。

不正咬合の原因

原因は大きく分けると先天的なものと後天的なものの2種類があります。それぞれの原因を詳しく説明していきます。

1. 先天的な原因

上唇のすじ(上唇小帯:じょうしんしょうたい)や舌のすじ(舌小帯:ぜつしょうたい)の異常、みつくち(唇顎口蓋裂:しんがくこうがいれつ)のような疾患などが歯並びに影響を及ぼす場合もあります。

2. 後天的な原因

‘’指しゃぶり’’などの癖が幼稚園や小学校に行ってからでも続けていると出っ歯などになる、また子どもの歯がむし歯になって大人の歯に生え変わる時期の前に歯を抜いた場合などでも八重歯になったりする原因と言われています。

他にも様々な原因で後から歯並びが悪くなることがあります。

不正咬合により起こる主な症状

症状は様々ですが今から紹介する症状が一般的に多く見られます。放置してしまうことは少なくないですが自然に治らないことの方が多いです。ただ不正咬合の種類によって異なる為断言することは難しいです。子どもの場合顎の骨が成長している段階で治療をすると期間が短くなったり、負担を減らすことが出来る場合があるので早めに受診をすることをオススメしております。

特に以下の3つの症状のうち見られるものがあれば1度相談に行ってみるのも良いかと思われます。

(1) 口呼吸

前歯が前に出やすくなったりするなどの不正咬合を進行させてしまう原因にもなります。他にもむし歯や歯周病、口臭やアレルギーなどのリスクも高めてしまいます。

(2) いつも口が空いている

口の周りの筋肉の発達が妨げられてしまいます。姿勢などにも影響してくる可能性があります。

(3) よく噛んでいない

口の周りの筋肉や顎の発達に影響を及ぼす原因になります。

上手く噛み合わずよく噛めなくなってしまう為に早食いになりやすくなります。

検査・診断

歯型を採ったりお口全体のレントゲンを撮影し、現在のお口の状態のお写真を撮影し歯の位置や顎の骨の形がどんな状態かを確認させていただくことを矯正をする前に行う検査とさせて頂いております。

歯型を元にお作りした模型やレントゲン写真、お口の中の状態の写真を見て、歯の位置や顎の位置などに不調和な部分はないかを確認して診断させて頂き、その診断で分かったことなどを詳しくお伝えしています。

治療

一般的に歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付けていき、そこにワイヤーを通してワイヤーの力を利用しながら徐々に歯並びを治していくのが多いです。

子どもの場合は成長に合わせて顎の骨を広げて歯の生える位置を調整していく装置もあります。
骨格から不正咬合が起こっている場合は子どもであれば取り外しが可能な装置を頭につけて骨格の不正の解消を試してみます。大人は骨格の不正がわずかであれば歯の位置を変えることでカバーできますが、骨格の不正が大きければ大掛かりな外科手術(外科矯正)が行われることもあります。

他にも透明なマウスピース型の装置を使用することもあります。

どの治療法になるかは患者様のお口の中の状況や患者様本人の希望に応じて決定することが多いです。

予防

治療終了後も定期的に歯科医院に通ってメインテナンスを受けることが大切です。装置をつけていると汚れが溜まりやすくなることで虫歯や歯周病にもなりやすくなります。
ご自身でのセルフケアもすごく大切ですがプロによるメインテナンスも受けるとさらにより良くなります。