- 意図的再植って何?
- 意図的再植とは、治療のため戦略的に一度抜いて再植する方法をいいます。 例えば、歯の根の部分に大きな病巣ができていたり、通常の根の治療では治らないようなときに、一度わざと歯を抜いて、細菌感染したところなどを取り除いたり、病巣をきれいにしたりしてから、元の場所に戻す方法などです。
- 意図的再植はどんな時に行うの?
- 歯根が破折してしまった時、歯根の側面に穴があいてしまった場合の補修、治療が難しい根管治療などに用います。
- 再植した歯はずっと残せるの?
- 意図的再植はあくまで歯の延命処置です。将来にわたって永久的に歯が保存できるわけではありません。
- 意図的再植の成功率は?
- 歯内療法専門医が適切な治療環境で行なった場合の成功率(5年生存率)は約80%程度と言われています。
- 意図的再植のメリットは?
- 歯根膜を一緒に移植するため、咬んだときに咬み応えを保つことが可能である、周囲の健康な歯を削らず自然な咬み合わせになるなどです。
- 意図的再植のデメリットは?
- 抜歯ができ、再植可能な健康な歯が必要になる、治療できる条件があり、全ての人が受けられるわけではない、大がかりな外科手術が必要になるなどです。
- 意図的再植は保険適用になる?
- 自由診療の為、保険適用外です。 (場合によっては適用となります)
- 意図的再植をした場合、治療にどのくらいの期間がかかる?
- 治療後の経過観察を含めおよそ3ヶ月程度かかります。
- 意図的再植は痛い?
- 麻酔をするため、痛みはほとんどありません。
- 意図的再植で抜歯したら歯がない期間が出来る?
- 歯根の周囲に付着している歯根膜は乾燥すると細胞が死んでしまい、再植時の成功率が下がってしまうため、抜歯してから20分程度で戻さなくてはいけません。 そのため、歯がない期間はありません。
- ケガや事故で歯が抜けてしまった場合どうしたらいい?
- ゴシゴシ拭いたり、お水で洗ったりしてはいけません。 歯を乾燥させないようにして保存液があればその中に入れます。 保存液がない場合には、牛乳があればその中に入れてお持ちいただければ再植できる可能性があります。
- 歯根膜って何?
- 歯の根っこの周りを覆っている膜で、歯の靭帯とも呼ばれます。 根と骨の間に存在し、クッションのような働きをします。
- 歯根膜がなくなるとどうなる?
- 歯根を歯槽骨にしっかり固定する組織が無くなるため、歯はぐらぐらになり、最後には抜けてしまいます。
- 赤ちゃんの歯が事故で抜けてしまった場合でも再植は出来るの?
- 受傷後の時間があまり経っていなければ、再植が試みられます。 ただし、生え変わりの時期が近い場合は行いません。
- 乳歯の再植は、永久歯に影響がある?
- 乳歯が受けた衝撃が大きかった場合には、永久歯の白濁やエナメル質の形成不全、生え変わりの時期、生えてくる方向の位置などに影響が出ることもあります。
- 意図的再植は何年くらいもつの?
- 再植治療の一般的な寿命は5~10年前後と言われています。個人差があります。
- 意図的再植の流れは?
- 麻酔をした後、歯根膜に気を付けて抜歯します。 その後口の外で歯の根(悪くなった部分)をカットし、元に戻します。 その際、左右の歯にワイヤーを貼って動かないように固定します。
- 再植した歯はどのくらいの期間固定するの?
- 定着するまで1~3か月程度固定します。
- 再植出来たらもう安心して良い?
- うまく行ったようでも、後で歯と骨が癒着してしまったり、歯根吸収がおきると、長くは使えない可能性もあります。
- 意図的再植出来る歯は?
- すべての歯が対象歯ですが、歯の根の形態が複雑な場合には抜歯がスムーズに行えなかったり、抜歯の際に歯が割れてしまう可能性があります。