
抜歯後は多少の痛みや腫れが出ることがありますが、「数日経っても痛みが強くなる」「ズキズキとした痛みが長く続く」といった場合、注意が必要です。抜歯後の強い痛みの原因として代表的なものにドライソケットという症状があります。
今回は、ドライソケットとはどのような状態なのか、症状や治療法、予防方法についてご紹介します。
目次
ドライソケットとは?
ドライソケットとは、その名前の通り抜歯した穴(抜歯窩)が乾いた状態になってしまうことを指します。
歯は歯槽骨という骨の中に埋まっていますが、歯を抜くとその骨が一時的に露出した状態になります。通常、抜歯後は治癒の過程で露出した骨の表面に血餅(けっぺい)と呼ばれるかさぶたが形成され、その上を歯肉が覆っていくことで傷口は徐々に治っていきます。
しかし、何らかの理由でこの血餅がうまく作られなかったり、途中で剥がれてしまったりすると、骨が露出したままの状態が続いてしまいます。口腔内には多くの細菌が存在しているため、露出した骨に細菌が感染し、強い炎症と痛みを引き起こします。このような状態がドライソケットです。
ドライソケットの痛みの特徴
ドライソケットになると、抜歯後数日経ってから痛みが強くなることが多く見られます。通常の抜歯後の痛みは日ごとに軽減していきますが、ドライソケットでは逆に痛みが増し、10日〜2週間ほど強い痛みが続くことがあります。その後も徐々にしか改善せず、完全に治るまでに1か月ほどかかるケースもあります。
こんな症状がある場合は要注意
以下のような症状が続いている場合、ドライソケットの可能性が高いと考えられます。
・抜歯後、日に日に痛みが強くなってきた
・抜歯した部分から嫌なにおいがする
・膿が出てきた
・痛みが長期間続いている
ドライソケットは非常につらい痛みを伴い、自然に治ることが難しい場合も多いため、早めに歯科医院を受診することが重要です。
ドライソケットにならないための予防法
① 口をゆすぎすぎない
抜歯後に強くうがいをすると、水圧によって血餅が剥がれてしまうことがあります。うがいをする際は、抜歯した部分に刺激が加わらないよう、軽くゆすぐ程度にしましょう。
② 抜歯窩を触らない
「気になるから」と指や舌で触ったり、歯ブラシを強く当てたりすると、血餅は簡単に取れてしまいます。抜歯部位はできるだけ触らず、ブラッシングも周囲を避けて慎重に行いましょう。
③ 清潔に保つこと
抜歯窩に食べカスが入り込むと、感染のリスクが高まります。食後はやさしくうがいをし、口腔内を清潔に保つことが大切です。
④ 禁煙
喫煙はドライソケットの大きなリスク因子です。タバコには血管を収縮させる作用があり、出血が少なくなりすぎることで血餅が形成されにくくなります。抜歯後はできるだけ禁煙を心がけましょう。
ドライソケットの治療
ドライソケットと診断された場合、まずは内服薬による治療を行い、痛みや炎症を抑えます。症状の程度によっては、患部の洗浄や薬剤の填入などの処置が必要になることもあります。
それでも改善が難しい場合には、麻酔をして再掻爬(さいそうは)を行い、あえて出血を起こします。再度出血させることで血餅の形成を促し、正常な治癒過程へ導きます。
ドライソケットの治療期間
治療を行った場合、多くの方は1週間〜2週間程度で改善していきます。ただし、出血を気にしてうがいを繰り返してしまうと、せっかくできた血餅が再び剥がれてしまい、治癒が遅れる原因となります。抜歯後は「うがいのしすぎ」に十分注意しましょう。
まとめ

抜歯後の痛みが長く続く場合、その原因はドライソケットかもしれません。正しいセルフケアと早めの受診が、痛みを長引かせないための重要なポイントです。気になる症状がある場合は、我慢せず歯科医院へ相談しましょう。


