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子供の口臭

こどもの口臭

2023年3月10日

こどもの口臭の原因で最も多いのが、口腔内の乾燥です。口腔内が乾燥すると唾液の働きが弱まり、口腔内の細菌が繁殖しやすくなり、口臭が強くなります。

集中している時に無意識に口が開いている、唇に締まりがない、起床時に口の中が乾燥して口臭を感じる、就寝時にいびきをかく、よだれが出る、などの症状が見られたら、口呼吸の可能性があり、口内の乾燥につながります。

口呼吸が癖になっている場合は、できるだけ鼻呼吸するように意識させてあげてください。

どうしても寝ている時に口を閉じられないようなら、唇にサージカルテープなどを貼って開かないようにする方法もあります。ただし鼻炎などで鼻呼吸できない場合は、早急に耳鼻科を受診することをおススメします。

お子さんの口腔内の乾燥を防ぐためにも、こまめな水分補給が効果的です。

こどもは水分保持力が低く、汗をかきやすいため、いつの間にか水分不足の状態(脱水状態)になっていることがあります。

水分不足になると、唾液の分泌量が減少して口臭の原因にもなります。特に暑い時期や乾燥する時期は、特に気をつけましょう。

お子さんに軟らかいものばかり食べさせていると、咬む力が衰えて、お口の周囲の筋力が衰えていきます。さらに咬まないことで唾液分泌の減少につながります。

お口の周囲の筋力が衰えると、口が開きやすい状態になってしまい、口呼吸の原因にもつながりやすくなります。

これを改善するために、咬みごたえのある野菜や果物を意識して食事の中に取り入れましょう。さらに、あまり小さく切らずに咬み切る必要がある大きさ・厚さにしましょう。よく咬んで食事をすることで、唾液の分泌を促進して口内の乾燥を防げるため、口臭対策にもつながります。

口内に食べかすやプラークがあると口臭の原因になります。

磨き残しがないか、小学校卒業までは仕上げ磨きをしてあげましょう。特に、就寝前のブラッシングが重要です。

定期的に歯科医院を受診して、虫歯・歯石・歯垢がないか、口内環境をチェックしてもらうことも大切です。仕上げ磨きをしていたとしても、磨き残しは発生します。磨き残したプラークは石灰化して歯石になり、歯磨きでは取り除けなくなります。定期検診の時に、クリーニングや歯石除去をしてもらい、口臭対策をしましょう。

当医院では、唾液検査も行っております。検査時間は10分くらいで多目的同時測定が行えます。

・歯の健康(虫歯菌・酸性度・緩衝能)

・口腔清掃度(アンモニア)

・歯ぐきの健康(白血球・タンパク質)

以上により、お口の中の状態が一目で把握できます。現状で問題がなければ安心ですが、問題があれば今後の改善プランなど一緒に考えていきます。

せっかくの定期検診を有意義にしていきましょう。

健康な舌の比較イラスト

舌苔とは?

2023年2月21日

舌につく細菌のかたまりは舌苔(ぜったい)と呼ばれ、灰白色または黄白色をしています。
舌苔はお口の中の粘膜が剥がれたもの、食べかすや唾液の成分、さまざまな細菌、白血球や色素からなっています。
舌炎や口臭(揮発性硫黄化合物)や味覚障害などの原因になります。

舌苔がつきやすい人

・抗生物質の長期服用
・全身疾患(糖尿病・十二指腸潰瘍・シェーグレン症候群)がある
・間食することが多い
・食後に歯磨きしない(不潔になり舌苔が付きやすくなる)
・口で呼吸している(口腔乾燥)
・口を開けていることが多い(口腔乾燥)
・過度なストレスが続く
・舌の運動が活発でない

舌苔が多くついていると、口臭だけではなく味覚の低下になる可能性があります。

味覚とは、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)の1つで、お口の中で食べ物に応じて認識される感覚です。味を感じるのは、舌の表面にたくさん存在する味蕾(みらい)という組織です。

この味蕾が舌苔に覆われてしまうと、味を感じにくくなり、食べ物がおいしく感じないといった事になってしまう場合があります。

舌苔を除去することは、口臭予防だけではなく、食事をおいしく食べられることにもつながります。

舌苔がつきやすい場所は、舌の中央から後方にかけての奥の部分です。舌の付け根に近い奥の部分は唾液で洗い流されない、または舌の運動時に上あごとこすれることが少ないので、細菌の増殖にとっては好都合となります。

こうしたことから、舌苔は舌の後方部からつきはじめ、時間が経つにつれて奥から前のほうに増えてくると考えられています。
舌苔がついているかどうかは、舌を前に出して舌の奥の部分を確認しましょう。

舌苔を取り除くには

舌苔の除去には賛否両論ありますが、摂食嚥下障害や要介護高齢者の方など、自立して歯ブラシが困難な場合に行いことが推奨されています。

舌苔がたまると口臭の原因となったり、舌苔の細菌を誤嚥して肺炎をもたらすこともあります。そのため、口臭が気になる人は舌苔を取り除くことをおすすめします。

舌を傷つけず、効率よく舌苔を取り除くには、舌ブラシを使用することが効果的です。
奥から前方へ軽い力で数回かき出します。やさしく奥から前へ舌苔を除去します。

たくさん付いていても、無理して1回で取り除こうとせず、日数をかけて少しずつ舌苔を取り除くようにして下さい。
ただし、舌は傷つきやすいため、過度なケアは逆効果です。1日1回にとどめましょう。

全身疾患が原因の場合はその疾患の治療を優先します。